広報担当者必見!「お客様の声」を活かす効果的な活用術

広報活動において「お客様の声」は、企業認知性を高め、ブランド価値を向上させる強力なツールです。
ただし、口コミやレビューを聞くだけでは十分ではありません。正しい方法で収集し、戦略的に活用することが重要です。本記事では、広報担当者が注意すべき「お客様の声」の収集方法から、プレスリリースやSNSでの活用術、信頼性を高めるポイント、さらに注意すべきリスクまで詳しく解説します。ポジティブな声だけでなく、ネガティブな意見も上手に取り入れることで、より共感を生む広報戦略が実現できます。

はじめに

広報活動において、「顧客の声」は非常に重要な要素です。企業の公式発表や広告はどうしても一方的な情報発信が多くなりますが、実際の顧客の体験談や意見は、信頼性が高く、共感を呼びやすいものです。

それは、同じ立場の消費者の意見が、よりリアルで信頼できると感じられるからです。広報担当者は、この「顧客の声」を上手に活用することで、企業のブランド価値を高めたり、メディアやターゲット層への訴求力を強化したりすることができます。

本記事では、広報担当者がやるべき「顧客の声」の収集方法、活用術、信頼性を高めるポイント、そして活用時の注意点について詳しく解説していきます。

「顧客の声」を収集する方法

広報活動において「顧客の声」を効果的に活用するためには、まず適切な方法で収集することが重要です。ここでは、代表的な収集手段とその活用ポイントを紹介します。

アンケート・レビュー・SNSの活用

アンケート:企業が直接顧客にアンケートを実施することで、具体的なフィードバックを得ることができます。

  • メールやウェブフォームを活用し、定期的にアンケートを実施する
  • 購入後のフォローアップアンケートを通じて、リアルな声を収集する
  • 「自由記述欄」を設けて、顧客の生の意見を引き出す

レビューサイト・口コミ:Amazonや楽天、食べログ、Googleマップなど、レビューサイトの評価は広報戦略に活用できます。

  • 高評価のレビューを許可を得て引用する
  • 否定的なレビューにも真摯に対応や返信し、企業の前向きな姿勢を示す

SNSのコメント・投稿:Twitter(X)、Instagram、Facebookなどで、ユーザーが自発的に発信する音声を活用できます。

  • 企業名や商品名のハッシュタグをモニタリングする
  • ユーザー投稿を使用する際は、許可を得てから活用する

カスタマーサポートや営業からのフィードバック収集

顧客対応を担当するカスタマーサポートや営業チームは、日々顧客のリアルな意見を受け付けています。これらの展開と連携し、貴重な意見を広報に活かすことが重要です。

  • よくある質問(FAQ)やクレームを分析し、課題を解決する
  • 顧客の体験談を収集し、ケーススタディとして活用する
  • 営業担当者に「実際にどんな声を聞いたか」を定期的に聞く

ユーザーインタビューやフォーカスグループ

より深い顧客のインサイトを得るために、直接インタビューを行うのも効果的です。

  • お客様にご協力をお願いし、実際の使用感や体験談を詳しく聞く
  • フォーカスグループ(特定のターゲット層を集めた座談会)を開催し、率直な意見を収集する
  • 動画や記事としてインタビュー内容をまとめ、広報素材として活用する

「顧客の声」を効果的に活用する方法

収集した「顧客の声」をただ聞くだけでは意味がありません。広報活動の中で効果的に活用することで、企業認識やブランド価値を高めることができます。ここでは、具体的な活用方法を紹介します。

プレスリリースへの引用

プレスリリースでは、企業の発表だけでなく、顧客の声を取り入れることで、より説得力のある内容にすることができます。

  • 新商品発表時に顧客のリアルな感想を掲載(例:「すでに試したユーザーからは〇〇と高評価!」)
  • 企業の意思を表明するために実際の利用者のコメントを記入する
  • 具体的な体験談や数字を盛り込む(例:「ユーザーの〇〇%がまた使いたいとの結果に!」)

公式サイト・ブログでの成功事例紹介

顧客の実体験を詳しく紹介することで、他の潜在顧客の興味を知ることができます。

  • 導入事例(ケーススタディ)として、企業や個人の成功事例を掲載
  • ビフォーアフターのストーリーを取り入れ、変化を具体的に示す
  • インタビュー記事を作成し、お客様の生の声を伝える

SNSでの口コミ・レビューのシェア

SNSでは、ユーザーの投稿をシェアすることで、自然な形で信頼性を高めることができます。

  • ポジティブな投稿をリツイート・リポスト
  • タグハッシュキャンペーンを実施し、お客様の声を募集します
  • UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用し、リアルな体験を発信

動画コンテンツや広告への活用

テキストだけでなく、動画を活用することで、よりインパクトのある訴求が可能になります。

  • 顧客のインタビュー動画を制作し、YouTubeや公式サイトで公開
  • 実際のレビューを映像広告に取り入れ、印象を強調
  • イベントやセミナーの参加者の声を撮影し、PR動画として編集

「顧客の声」は広報戦略の中で非常に強力な武器になります。活用の仕方で、ブランド認知度を高め、より多くの人に訴えることが可能です。

成功事例:「お客様の声」を相談した戦略広報

「お客様の声」を効果的に活用することで、企業のブランド価値を高め、消費者の共感を得ることができます。ここでは、実際に成功した企業の事例をいくつかご紹介します。

1. 味の素冷凍食品「ギョーザ」のフライパン実験(SNS活用)

概要

焼き味の素冷凍食品の「ギョーザ」は、羽根つきのパリッとした上昇が特徴ですが、SNS上では「うまくいかない」「フライパンにくっつく」といった声があった。

活用方法

  • 公式SNSで「フライパンの相性実験」を実施し、どのタイプのフライパンが最適か検
  • 実験結果をSNSやYouTubeで公開し、消費者の疑問を解決
  • SNS上でユーザーの「焼き方の成功体験」をシェアすることで、共感を生む

結果

  • Twitter(X)で話題となり、拡散されることで「正しい焼き方」が浸透する
  • 「味の素ギョーザは失敗せずに焼ける」というポジティブなイメージの定着
  • 「お客様のリアルな疑問」に対する回答を発信することで、信頼感が向上

2.ユニクロユニ「ユニクロアップデート」—顧客のフィードバックを商品改良に活かす

概要

UNIQLO UPDATEというコンテンツを作り、お客様の声によって更新された最新の商品を、それぞれの進化のポイントとともに紹介。

活用方法

  • 世界中の顧客のレビューを分析し、改善ポイントを自社HP内の「UNIQLO UPDATE(ユニクロアップデート)」で紹介
  • 実際のユーザーレビューを元に、「新素材のヒートテック」や「改良版ライトウルトラダウン」などを開発

結果

  • 「顧客の声を反映して進化するブランド」として認識性を確立
  • 口コミ効果により、改良商品への関心が高まり、売上アップに貢献
  • 継続的なフィードバック活用が、新規顧客の獲得とリピーター増加につながる

「顧客の声」の知名度を高めるポイント

「顧客の声」を活用する際、ただ掲載するだけでは十分な効果は得られません。信頼性が高いと感じられるように工夫することで、より説得力のある情報として活用できます。ここでは、信頼性を高めるための具体的なポイントを解説します。

フィードバックの具体性を示す

「この商品はとても良いです!」という感想よりも、「この商品を使い始めてから、事前の準備時間10分短縮されました」のような具体的な体験談のほうが説得力があります。

  • 具体的な数字や効果を含める(例:「売上が30%向上した」「3カ月で〇〇が改善した」)
  • 利用シーンを明確にする(例:「〇〇の機能のおかげで使える、外出先でも簡単にた」)
  • 比較をする(例:「以前の製品と比べて〇〇がかえって良くなった」)

実名・顔写真・企業名許可を得る(可能な場合)

匿名のレビューよりも、実名や顔写真付きの体験談のほうが信頼性は高くなります。

  • 企業の導入事例では、企業名や担当者の名前を記載する
  • 写真付きのインタビューを掲載することで、リアルな印象を強める
  • SNSの投稿を引用する場合も、未成年投稿者の許可を得る

※ ただし、個人情報の保護には十分注意し、必要に応じて仮名やイニシャルを使う選択肢も大切にしましょう。

良い声だけでなく、改善点も取り入れる

顧客のポジティブな声だけでなく、改善点や批判的な意見にも対応することで、企業の姿勢を伝えることができます。

  • 「は〇〇に不満があったが、改善後はとても使いやすくなった」など、改善のプロセスを示す
  • 否定的な意見を受け入れ、広報活動に活かす(例:「ユーザーの声をもとに〇〇を改善しました!」)
  • リアルな感想を伝えることで、過剰な宣伝感をなくす

信頼性の高い「顧客の声」は、匿名口コミ以上に、企業のブランド価値を高める重要な要素となります。顧客の現実的な意見を尊重し、適切に検討して活用することで、より多くの人に共感を得られる広報活動が可能になります。

「顧客の声」を活用する際の注意点

「顧客の声」は広報活動において強力な武器になりますが、取り扱いには注意が求められます。

懸念・誇張のリスクに注意する

顧客の声を効果的に見せようとするあまり、実際には存在しない口コミを作成したり、誇張した表現を使ったりすると、企業にリスクをもたらすことになる。

  • 架空のレビューを作成しない(企業の信用を大きく損なうだけでなく、法律になる可能性もある)
  • 事実を歪めず、誇張表現を偏見(例:「100%満足する商品」ではなく、「〇〇%の顧客が満足と回答」など、根拠のあるデータを使用)
  • 実際の顧客の声を正しく反映する(編集する際も、意味を変えないように注意)

個人情報の取り扱いに注意する

顧客の声を活用する際には、個人情報の保護にも十分配慮する必要があります。

  • レビューやインタビューを掲載する前に、本人の許可規定(特に実名・写真・会社名を公開する場合)
  • SNSの投稿を引用する際も、無断使用ではなく事前確認を行う
  • 必要に応じて匿名化、プライバシーを守る(例:「A社の担当者」や「30代男性」など)

批判的な声への適切な対応

肯定的な意見だけでなく、否定的な意見やクレームにも適切に対応することで、企業の姿勢が評価されることがあります。

  • 批判的な口コミを削除しない(適切なフィードバックは、改善のチャンスと捉える)
  • 前向きな対応を心がける(例:「ご意見ありがとうございます。今後の改善に相談します」など、誠意を持って対応)
  • ネガティブな声を戦略広報に活かす(例:「ユーザーの声を受けて新機能を追加しました!」といった改善宣伝につなげる)

「顧客の声」を正しく扱うことで、企業浸透性を高め、より多くの人に共感される広報活動が実現できます。ルールを守りながら、効果的に活用しましょう。

まとめ

「顧客の声」は、広報活動において非常に重要な役割を果たします。企業の発信するメッセージだけでなく、実際の顧客の体験談や意見を取り入れることで、ブランド理解性を高め、ターゲット層に強く伝わる情報発信が可能になります。

「顧客の声」を直接口コミとして扱うのではなく、企業の広報戦略の心構えとして、計画的に活用することが重要です。定期的にフィードバックを収集し、適切に発信することで継続し、ブランド強化につながることができます。

広報担当者は、顧客の声を「企業の財産」としてとらえ、適切に収集・活用していきましょう。そうすることで、企業と顧客の関係をより強固なものにし、長期的なブランド価値の向上につなげることができます。

プレスリリース配信サービス「SDGs PR Lodge」のご利用を希望される方は、以下より企業登録申請をお願いいたします。
新規会員登録料金プランをあわせてご確認ください。