取材につながる企画書の書き方のコツ

広報担当者にとって、プレスリリースを作成/配信することは慣れている人が多いかもしれません。
しかし、企画書を書くことはメディアが欲する情報を盛り込み一から内容を作り上げるため中々難しいと思われがちで、まだまだ活用している人は少ない様です。

しかし、新規ニュースであるプレスリリースが配信できないタイミングでも企画書は配信することができるので、やらない手はありません。

この記事では、メディア向けの企画書でメディアの興味を引くポイントを押さえ、取材に繋がる可能性を高めるコツを紹介しています。

メディアとの関係を構築し、取材につながる効果的な企画書の書き方ついて、詳細に掘り下げていきます。

メディア向け企画書とは

一般的に書き方の定型があるプレスリリースとは違い、企画書は規則や条件がなく、企業独自の書き方で配信することができます。

メディア向けに新規性がある内容でなくとも「今世の中ではこの様な傾向があり、それに合わせて自社では今こんな取り組みをしています。なのでこんな取材はいかがでしょうか。」などの様な提案をすることで、メディア担当者の“ネタ作り”に協力する様なイメージです。

プレスリリースとの違い

内容と目的

  • 企画書: 企画書一般的に、メディアに向けた情報提供的であり、会社の更新、業界のトレンド、イベント、ヒントや助言などを、ターゲットとするメディア媒体の特色に合った内容で提案する資料の様なものです。特定の番組やコーナーなどの特色に合わせ、「今ならこんなネタで取材できます。」とターゲットを絞った提案をするのが特徴です。
  • プレスリリース: プレスリリースは、新しい製品の発表、重要な企業のアップデート、イベントの通知など、ニュース価値のある特定の発表をメディアに伝えることを目的としています。その目的は、報道機関に掲載されることにより、より広範な公衆に情報を広めることです。

形式とスタイル

  • 企画書: 形式が自由で、対話的な要素(アンケート、フィードバックの要求、ソーシャルメディアへのリンクなど)を含ませながら独自の視点と情報を盛り込むことができます。関連企業や同業他社の情報を載せたり、業界のトレンドを反映し専門的な情報を盛り込むことも可能です。
  • プレスリリース: 通常、非常に構造化された形式を取り、誰が、何を、いつ、どこで、なぜの「5W1H」が明確に記述されています。プレスリリースは、ジャーナリストがその情報を基にニュース記事を書くためのものであるため、事実と直接的な情報が重視されます。また、エンドユーザーである一般的な読者へ向けた内容になるため、専門性のある情報や用語はなるべく使わずに、誰が読んでも分かりやすい内容であることが大切でもあります。

企画書の書き方とポイント

企画書の作成ルールは特にありません。デザイン性よりも「メディアが使える企画かどうか」「ターゲットメディアの特性にあっているかどうか」は重要な要素となります。

A4用紙1枚で収まる様に1テーマを絞り込む

企画書もプレスリリースと同様に、1枚1テーマで書きましょう。
忙しい記者やメディア担当者にとって、1枚ですぐに概要が掴め、採用するかどうかを瞬時に判断できる様な内容であることが重要です。

ターゲットメディア(番組や紙面コーナー)の構成で書く

企画書はプレスリリースよりも特に“指定するメディアの特色”に合わせて書くことが重要になります。
いわば営業資料に近く、自社情報ではなく「相手がどんな情報を求め、どんな内容なら掲載したくなるのか」を徹底的に考えることで取材につながります。

例えば、Aというバラエティ番組では生活の知恵やライフハック情報などを多く取り上げているコーナーがあれば、そのコーナーで「2024年最新の市場動向を調査!」などで商品はどうでしょうか?と提案する。

Bというビジネス系情報番組なら、統計データや社会情勢に合わせて、「次世代技術の導入が変える業界の未来」など特定のサービスの利用者の増加や業界の盛り上がりなどを提示し、専門家のコメントを載せる。

Cという旅番組なら、今取材すべき地方の盛り上がりや特産品などの紹介を交えつつ「日本人の知らない秘境の村に海外旅行者が殺到するワケ」など新たな視点で盛り込むなど、メディア担当者が「これは使えそうだ!」と思う内容の構成で書くことが取材につながる企画書です。

社会のタイミングに合わせて書く

企画書をメディアに届けるためには、自社サービスのリリースタイミングや最新情報ではなく“今社会の動きがこうだから”という社会を主語にした内容から始めるべきです。

プレスリリースには自社と社会の動きが合ったタイミングで発信されますが、企画書では社会の動きに自社が合わせることで、「今社会でこの動きがあるから自社ではこんなことができます」という視点で作り上げることができます。

言い換えれば、社会の動きに合わせて自社のサービスや内容を柔軟に組み込むことができるので、視点や切り口を変えればいつでも企画書を作れる、ということにつながります。

広報の企画例

上記の内容を押さえ、企画出しをしていく際に参考となる例を紹介します。

・社会トレンドや旬な話題を盛り込む

→「猛暑の今、最新熱中症対策グッズTOP10が集結!」

・社会課題や社会情勢に合わせ問題点と解決策を盛り込む

→「物価高で値上げラッシュも値下げに挑戦する店主の秘策を紹介!」

・番組やコーナーに合った企業活動や人物紹介

→「衝撃的なビフォーアフターがネットで話題のカリスマ美容師の舞台裏」

・視聴者や読者が楽しめる情報やお役立ち情報

→「育児に役立つスマホアプリ特集」

上記の例を参考に、自社ならどんな企画を提案できるのかを考え企画書に盛り込んでみましょう。

普段からテレビや雑誌の見出しやタイトルを見て逆算で企画を練り込むのもおすすめです。メディア受けする内容や素材は何なのかを肌感覚で身に付け、その中で自社サービスをどの様に組み込むかを企画書に落とし込むことで、取材につながる可能性が高まります。

ぜひ、挑戦してみてください。

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