広報(パブリック・リレーションズ)とは

広報の基礎知識

広報(Public Relations, PR)は、企業や組織が自身やサービスの情報や価値を広く伝え、社会と良好な関係を築くために行う活動です。企業や組織が外部の人々やグループとの関係を構築し、維持することが重要です。これは、顧客、株主、メディア、関係機関など、様々なステークホルダー*との関係を築くために行われます。初めて広報に触れる方々にとっては、その基本的な概念や手法について理解することが広報の成功につながります。

*ステークホルダー=株主、従業員、顧客、取引先など利害関係者

1.広報の定義

日本広報学会では、広報の定義を以下のように示しています。

組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である。

(日本広報学会・2023年6月)

つまり広報とは
公衆とのよい関係づくり であり

社会に情報を発信&社会の声を聴き企業やサービスへ反映する

双方向のコミュニケーションであると言えます。

広報は単なる情報発信源ではなく、会社と社会とのコミュニケーターの役割があります。

2. 広報の目的とは?

広報活動を始める前に、なぜその活動が必要なのか、何を達成したいのかを明確にすることが重要です。具体的な目標を設定し、それに向けて広報戦略を展開します。
広報の主な目的は、企業や組織のイメージ向上、信頼構築、情報発信、そして特定のターゲットオーディエンス1との良好な関係構築です。広報は、企業が社会とどのように対話し、影響を与えるかを考え、そのための具体的な戦略を展開しKPI2の設定などをしていきます。

「Why(なぜ)」その活動をするのかを明確にした後、誰に何をどのように伝えるかを考えていきましょう。

  1. ターゲットオーディエンス:広報の対象となる特定の人々やグループのこと。特にそのサービスの購買層やユーザーが主になる。 ↩︎
  2. KPI:Key Performance Indicator。業績評価のための主要指標 ↩︎

3. ターゲットオーディエンスを理解する

広報活動は対象となる特定の人々やグループに向けられます。ターゲットオーディエンスを理解し、彼らのニーズや期待に応えることが成功の鍵です。ターゲットオーディエンスとなる人たちがよく見るメディア媒体、よく使うSNS、生活や行動の範囲など様々な要素を考慮し戦略を立てていきます。広報のメッセージは、受け手の立場や視点を考慮して慎重に構築されるべきです。

自社の顧客は誰なのかをよく理解し、その人物像の行動に合った広報活動をするのが成功の秘訣です。

4. メディアとの関係構築

メディアは広報活動において非常に重要な役割を果たします。良好なメディアとの関係を築くことで、企業のメッセージが広く伝わり、信頼性が高まります。プレスリリースやメディアリリースを通じて、メディアとの効果的なコミュニケーションを心掛けましょう。
特に、自社に肯定的なメディアや記者、自社のターゲットオーディエンスがよく利用するメディアの開拓が重要になっていきます。

メディアとは常に対等な立場でありつつ、お互いに尊敬できる間柄を作り「この人は信頼できる」と思ってもらうことが大切です。

5.メッセージの透明性と信頼性

広報では、伝えたい情報やメッセージを明確かつ分かりやすく伝え、信頼を築くことが不可欠です。広報活動は情報の発信という側面が強いため、クリアで誤解の生じない誠実な表現が求められます。
また、経営層と広報担当で取材時に発言が一致していなかったり、公表する数字や文言の齟齬や過大(過少)表現、媒体によって表記が違ったり古い情報の更新がなされていないなども誤解を与える原因となります。広報は常に最新の正しい情報と、組織の意図や思いをしっかりと分かりやすく汲んだ透明性と信頼性があるメッセージを発信していきましょう。

今の時代、情報はより伝達が早くなり不透明で不誠実な会社はすぐに明るみになります。長期的にサスティナブルな企業になるためには道徳的な姿勢を持ち続けましょう。

以上の基本的な広報の知識を踏まえて、より良い広報活動を行なっていきましょう。

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